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富士通FMVのハードウェアテストをする方法

富士通FMVのハードウェアテストをする方法

富士通FMV LIFEBOOK・ESPRIMO対応!
起動時ハードウェア診断ツールの完全使用ガイド

富士通FMVシリーズ(LIFEBOOK・ESPRIMO・STYLISTIC等)のパソコンには、メーカーが用意したハードウェア診断ツールが搭載されています。本記事では、Windowsが起動しない状態でも使えるBIOS・UEFI起動時のハードウェアテストへのアクセス方法、「富士通ハードウェア診断ツール」の操作手順、診断結果のエラーコードの読み方、そして修理業者への相談が必要なケースを詳しく解説します。

1. 富士通FMVのハードウェア診断ツールとは

富士通のFMVシリーズのパソコンには、パソコン本体に内蔵されたハードウェア診断ツールが搭載されています。これはWindowsのOS層とは独立したファームウェアレベルで動作するため、Windowsが起動できない場合でも使用することができます。富士通ではこのツールを「FMV内蔵の診断ツール」または「ハードウェア診断ツール」と呼んでいます。

Windows Vista以前の富士通パソコンでは「診断プログラム」として知られていましたが、Windows 7以降・UEFI対応モデルからは起動選択画面またはBIOS設定画面から診断ツールを起動するスタイルが採用されています。診断できるコンポーネントはメモリ・ストレージ(HDD/SSD)・CPUキャッシュ・キーボード・マウス・液晶ディスプレイ・光学ドライブなどです。

また、富士通はWindowsが起動する状態で使える「富士通ハードウェア診断ツール」(インストール済みソフト)も別途提供していますが、より信頼性の高い診断を行うにはWindowsから独立して動作するファームウェアレベルの診断を利用することが推奨されます。

2. 対応製品ラインと診断ツールの種類

製品ライン 主な機種 診断ツールへのアクセス方法
FMV LIFEBOOK(個人・法人ノートPC) LIFEBOOK U・WU・NH・AH・SHシリーズ等 F12起動メニューから「診断プログラム」を選択
FMV ESPRIMO(デスクトップPC) ESPRIMO D・K・W・FHシリーズ等 F12起動メニューから「診断プログラム」を選択
FMV STYLISTIC(タブレット型) STYLISTIC Q・Rシリーズ等 BIOSセットアップから診断機能、またはUSBキーボード経由でF12
法人向けARROWS Tab ARROWS Tab QHシリーズ等 BIOSセットアップまたはF12メニュー
旧FMV-BIBLOシリーズ(Vista以前) BIBLO NF・MG・SH等(製造終了) 起動時にF12を押し「ハードウェア診断」を選択

💡 富士通FMVの診断ツールは2009年以降のモデルで広く使用できます。ただし機種・年式によってアクセス方法や診断項目が若干異なります。本記事では2015年以降のモデルを中心に解説しますが、旧機種でも基本的な手順は同様です。

3. BIOS/UEFI起動時の診断ツールへのアクセス方法

基本的な手順(LIFEBOOK・ESPRIMOのほとんどのモデル)

1
パソコンを完全にシャットダウンする(再起動ではなくシャットダウン)

電源が完全にオフになっていることを確認してください。スリープ・休止状態からでは診断ツールを起動できません。

2
電源ボタンを押して起動し、すぐに F12 キーを連打する

富士通ロゴ(「FUJITSU」ロゴまたは「FMV」ロゴ)が表示されたらすぐにF12キーを押し始めます。「ピッ」という音(ビープ音)が聞こえたら押すのをやめます。

3
「起動メニュー(Boot Menu)」が表示される

画面に起動デバイスの選択メニューが表示されます。機種によって「Boot Menu」「起動メニュー」と表示されます。

4
「診断プログラム」または「Diagnostic Program」を選択する

矢印キーで「診断プログラム」を選択し、Enterキーを押します。診断ツールが起動します。

BIOSセットアップからのアクセス方法(代替手順)

1
電源投入後、富士通ロゴが表示されたら F2 キーを連打する

BIOSセットアップ画面(UEFI設定画面)が表示されます。

2
「終了」タブまたは「Advanced」タブを開く

画面上部のタブをキーボードの左右矢印キーで移動し、「終了」タブを選択します。

3
「診断プログラムの起動」を選択する

「終了」タブ内にある「診断プログラムの起動(Launch Diagnostic Program)」を選択してEnterキーを押します。

⚠️ 機種によっては「F12」キーを押した際に「起動メニュー」が表示されない場合があります。その場合はBIOSセットアップ(F2)から「高速起動(Fast Boot)」や「セキュアブート(Secure Boot)」を確認してください。セキュアブートが有効な場合でも富士通の純正診断ツールはアクセス可能なはずですが、稀に設定を変更する必要があります。

4. 診断ツールのメインメニューと操作手順

診断ツールが起動すると、メインメニューが表示されます。操作はキーボードで行います。

メニュー項目 内容 所要時間の目安
すべてのテスト実行 すべてのハードウェアコンポーネントを順番に検査します。最も網羅的な診断が行えます。 30分〜数時間
メモリテスト 搭載されているRAM(メモリ)の全セルを検査します。 容量によるが20〜90分
ストレージテスト(HDD/SSDテスト) ハードドライブまたはSSDのS.M.A.R.T.情報確認と読み書き検査。 Quick:5分以内、拡張:1〜数時間
キーボードテスト キーボードの全キーが正常に入力できるかを確認します。 3〜5分
タッチパッドテスト タッチパッドのすべての動作(移動・クリック・スクロール)を検査します。 3〜5分
ディスプレイテスト 液晶ディスプレイの表示品質(輝点・暗点・色再現性)を確認します。 5〜10分
光学ドライブテスト(DVDなど) DVDドライブやBlu-rayドライブ搭載機種でドライブの読み取り動作を確認します。 5〜10分
バッテリーテスト(ノート型のみ) バッテリーの容量・充放電特性を測定します。 10〜20分

5. 各テスト項目の詳細説明

メモリテスト

メモリテストではRAMの全記憶セルに対してデータ書き込みと読み出しを繰り返し行い、正確にデータが保持されているかを確認します。富士通の診断ツールのメモリテストは「標準テスト」と「完全テスト」の2段階があります。標準テストは代表的なアドレスのみを検査する短縮版で、完全テストはすべてのメモリセルを詳細に検査します。

メモリ容量が8GBの場合、標準テストは10〜20分程度、完全テストは45〜90分程度かかります。メモリに問題がある場合は「メモリテスト失敗(メモリチェックエラー)」のメッセージとともにエラーコードが表示されます。

ストレージテスト(HDD/SSDテスト)

ストレージテストはS.M.A.R.T.診断と実読み書きテストの2つで構成されています。S.M.A.R.T.診断ではドライブが内部で収集している健全性データ(再割り当てセクター数・スピンアップ時間・累積エラー回数等)を読み取り、ドライブが自己判断で「警告(Warning)」または「エラー(Error)」フラグを立てていないかを確認します。

実読み書きテストでは、ストレージ全体(または一部のセクター)に対してランダム・シーケンシャル読み書きを行い、データ化けや遅延が生じていないかを検査します。ストレージエラーが検出された場合は、パソコン内のデータが消失するリスクが高いため、診断後すぐにバックアップを実施してください。

液晶ディスプレイテスト

液晶ディスプレイテストでは「全白画面」「全黒画面」「赤・緑・青の単色画面」「グラデーション画面」などを順番に表示し、ユーザーが目視で輝点(常に白く光るドット)・暗点(常に黒いドット)・色の偏りがないかを確認します。このテストはシステムが自動判定するものではなく、ユーザーが画面を見て判断するタイプのテストです。

キーボード・タッチパッドテスト

キーボードテストでは画面にキーボードのレイアウト図が表示され、キーを1つずつ押すと対応するキーが図上でハイライトされます。全てのキーを押して確認できたらテスト完了です。タッチパッドテストでは指を動かして座標が正確に追従するか、左右クリックが正常に動作するかを確認します。

6. Windowsが起動する場合の「富士通ハードウェア診断ツール」

富士通FMVのパソコンにはWindows上で動作する「富士通ハードウェア診断ツール」があらかじめインストールされています。このツールはWindowsが正常に起動している場合に使用できます。

富士通ハードウェア診断ツールの起動方法

1
スタートメニューを開き「富士通」フォルダを探す

スタートメニューのアプリ一覧から「富士通」フォルダを開きます。「富士通ハードウェア診断ツール」または「FMV Support(サポート)」の中に含まれています。

2
「富士通ハードウェア診断ツール」をクリックして起動する

管理者権限が必要な場合はUACダイアログが表示されます。「はい」をクリックして続行してください。

3
診断したいコンポーネントにチェックを入れて「次へ」をクリック

診断するコンポーネントを選択して診断を実行します。結果は画面上に表示され、ログファイルとして保存することもできます。

💡 富士通のサポートページ(azby.fmworld.net/support)にアクセスすると、「FMV・らくらくパソコンなどのサポートページ」に「ソフトウェアダウンロード」のページがあります。ここから富士通ハードウェア診断ツールをダウンロード・再インストールすることもできます。

7. テスト結果のエラーコードと意味

富士通の診断ツールでエラーが検出された場合、画面にエラーコードとメッセージが表示されます。エラーコードはサポートセンターへの問い合わせ時に必要になるため、必ず記録しておいてください。

エラーコード(例) 対象コンポーネント 主な原因と対処
メモリ系エラー
(例:ME001〜ME099)
メモリ(RAM) メモリの接触不良または故障。メモリの抜き差し・1枚ずつのテスト・交換を試みる
ストレージ系エラー
(例:HD001〜HD099)
HDD・SSD ストレージの不良または故障。直ちにデータバックアップ後、交換を検討する
S.M.A.R.T.警告
(SMART Warning)
HDD・SSD ドライブが自己診断で問題を検出。エラーが出る前にバックアップと交換を推奨
光学ドライブエラー
(例:OD001〜OD099)
DVD/Blu-rayドライブ 光学ドライブの読み取りレンズ汚損または故障。クリーニングまたは交換
ディスプレイエラー 液晶ディスプレイ ディスプレイパネルまたは接続ケーブルの問題(ユーザーが目視確認後に判断)
バッテリーエラー
(例:BAT001〜BAT099)
バッテリー バッテリーの劣化または故障。純正バッテリーへの交換を検討する

⚠️ ストレージ(HDD/SSD)のエラーが検出された場合は、診断終了後すぐにデータのバックアップを最優先で実施してください。ストレージエラーを放置すると、突然Windowsが起動しなくなりデータが取り出せなくなるリスクがあります。

8. 診断後の対処方法

メモリエラーが検出された場合の対処手順

1
メモリの抜き差しを試みる

静電気防止手袋を着用し、パソコン本体の電源を切ってコンセントを抜いてから、メモリスロットに刺さっているメモリモジュールを一度取り外し、端子を拭いて再装着します。

2
メモリが複数枚ある場合は1枚ずつテストする

複数枚のメモリが搭載されている場合は1枚ずつ装着してテストを繰り返し、不良のメモリを特定します。

3
不良メモリを交換する

特定できた不良メモリを同じ規格の新品メモリに交換してください。富士通LIFEBOOKの一部モデルはオンボードメモリ(交換不可)の場合もあります。

ストレージエラーが検出された場合の対処手順

1
直ちにデータバックアップを実施する

別のパソコンやUSB接続のケースを使ってストレージを接続し、重要なファイルをバックアップします。ストレージが認識されない場合は専門業者によるデータ復旧が必要な場合があります。

2
ストレージを新しいものに交換する

バックアップが完了したら、同容量以上の新しいHDDまたはSSDに交換します。SSDへの換装は速度向上にも繋がるためおすすめです。

3
Windowsを再インストールする

ストレージ交換後はWindowsを再インストールします。富士通のリカバリディスクがある場合はそれを使用できます。

9. テスト実行時の注意事項とQ&A

テスト前の確認事項

  • ノートPCの場合は電源アダプターを接続してからテストを開始する
  • 接続している周辺機器(USBメモリ・外付けHDDなど)はすべて取り外す
  • テスト中は画面を閉じたりスリープしたりしない
  • テスト完了後はエラーコードと診断結果を写真またはメモに記録しておく
  • バッテリー残量が20%以下の場合はテストを開始しない

よくある質問

Q. F12キーを押しても起動メニューが表示されず、普通にWindowsが起動してしまう。
A. F12キーのタイミングが遅い可能性があります。電源ボタンを押した直後から素早く連打してください。また「高速起動(Fast Boot)」が有効な場合はF12が効かないことがあります。BIOSセットアップ(F2)を起動し、「高速起動(Fast Startup)」を無効にしてから再試行してください。

Q. 診断ツールが起動するが「診断プログラム」の選択肢が起動メニューに表示されない。
A. 機種によって起動メニューの名称や構成が異なります。「HDD(SATA)」以外の選択肢として「FMV Diagnostics」や「UEFI Diagnostic」と表示されることがあります。すべての選択肢を確認してみてください。

Q. 「診断プログラムを実行できませんでした」というメッセージが表示された。
A. 内蔵診断プログラムのファイルが破損している可能性があります。富士通のサポートに連絡するか、リカバリディスクを使用してリカバリ後に再試行することをおすすめします。

Q. 「富士通ハードウェア診断ツール」がスタートメニューに見当たらない。
A. 初期設定では全アプリ一覧の中に含まれていますが、削除されている場合があります。富士通のサポートページから再インストール用のパッケージをダウンロードできます。

10. 専門業者への依頼が必要なケース

  • 診断ツール上でストレージのS.M.A.R.T.エラーが検出された場合(データが消える前に早急な対応が必要)
  • メモリの交換を行ったが、依然としてメモリエラーが出る場合(メモリスロット自体の故障の可能性)
  • 診断ツール起動中にパソコンが突然シャットダウン・再起動を繰り返す場合(冷却系・電源系の問題)
  • 液晶ディスプレイのテストで輝点・暗点が多数見つかった場合(ディスプレイ交換が必要)
  • FAN(冷却ファン)関連のエラーが繰り返し表示される場合(ファン清掃または交換)
  • ハードウェアのエラーコードが表示されるが、どう対処すべきかわからない場合

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参照元・参考資料

  1. 富士通株式会社. "ハードウェア診断ツールを使用する方法 - Windows 10/11". AzbyClub サポート. <https://azby.fmworld.net/support/index.html>
  2. 富士通株式会社. "FMV の診断プログラムを実行する方法". AzbyClub サポート. <https://azby.fmworld.net/support/repair/diagnosis/>
  3. 富士通株式会社. "FMVの起動メニューの表示方法(BIOS設定)". AzbyClub サポート. <https://azby.fmworld.net/support/index.html>
  4. 富士通株式会社. "メモリのテストをする方法(富士通ハードウェア診断ツール)". AzbyClub サポート. <https://azby.fmworld.net/support/repair/memorychk/>
  5. 富士通株式会社. "ハードディスクの状態を確認する方法". AzbyClub サポート. <https://azby.fmworld.net/support/repair/hddchk/>
  6. 富士通株式会社. "富士通ハードウェア診断ツール ダウンロード". AzbyClub サポート. <https://azby.fmworld.net/support/download/>

最終更新日:2026年6月 執筆:TeraWin パソコン修理スタッフ