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DellのハードウェアテストePSA/SupportAssistの使い方

DellのハードウェアテストePSA/SupportAssistの使い方

起動時 F12 で呼び出す!
Dell ePSA / SupportAssist ハードウェア診断の完全手順

DellのパソコンにはOS(Windows)とは独立して動作するハードウェア診断ツール「ePSA(Enhanced Pre-boot System Assessment)」または「SupportAssist Pre-Boot System Assessment」が内蔵されています。起動時にF12キーを押すだけで呼び出せるこのツールを使い、CPU・メモリ・ストレージ・バッテリーなどの部品が正常かどうかを自力で確認する方法を詳しく解説します。

1. Dell ePSA / SupportAssist とは

Dell製パソコンには「ePSA(Enhanced Pre-boot System Assessment)」あるいは新しいモデルでは「SupportAssist Pre-Boot System Assessment」と呼ばれるハードウェア診断ツールが工場出荷時から内蔵されています。これはWindowsや他のオペレーティングシステムとはまったく独立したファームウェアレベルのツールであり、Windowsが起動しない状態であっても実行できることが最大の特徴です。

ePSAはDellのBIOS/UEFI内に組み込まれており、パソコンを起動してDellロゴが表示されている間にF12キーを押すことで呼び出せるブートメニューから起動します。診断ツールはCPU・メモリ(RAM)・ハードディスクまたはSSD・ビデオカード(GPU)・バッテリー(ノートPC)・光学ドライブ・ネットワークアダプターなど主要なハードウェアコンポーネントを順番にテストし、それぞれが正常に動作しているかどうかを判定します。

このツールの大きなメリットは、Windowsの影響を受けずにハードウェア単体の動作を検証できる点です。たとえばWindowsが起動しない、ブルースクリーンが頻発する、動作が不安定といったトラブルの原因がハードウェアにあるのかソフトウェア(OS・ドライバー)にあるのかを切り分けるうえで非常に有効な手段です。テスト結果にはエラーコードが付与されており、そのコードをDellサポートに伝えることで適切なサポートを受けることができます。

ePSAとSupportAssistの違いは主に世代の差です。2019年以前に発売されたDellのパソコンでは「ePSA」という名称が使われており、それ以降の比較的新しいモデルでは「SupportAssist Pre-Boot System Assessment」にリブランドされています。機能的にはほぼ同等ですが、SupportAssistの方がUIが改善されており、より詳細なテスト結果を表示します。本記事では両者をまとめて「Dell診断ツール」として解説します。

2. 対応機種の確認

Dell診断ツール(ePSA/SupportAssist)はDellのほぼすべてのコンシューマー向け・ビジネス向けパソコンで利用できます。主な対応製品ラインは以下のとおりです。

製品ライン 主な用途 診断ツール名
Inspiron(ノート・デスクトップ) 一般コンシューマー向け ePSA / SupportAssist
XPS(ノート・デスクトップ) プレミアムコンシューマー向け SupportAssist
Latitude(ノート・デスクトップ) ビジネス向け ePSA / SupportAssist
OptiPlex(デスクトップ) ビジネス向けデスクトップ ePSA / SupportAssist
Precision(ワークステーション) プロフェッショナル向け ePSA / SupportAssist
Vostro(ノート・デスクトップ) 中小企業向け ePSA / SupportAssist
G-Series(ゲーミング) ゲーミング向け SupportAssist

搭載されている診断ツールの種類は機種とBIOSのバージョンによって異なります。2015年以前の旧型機はePSA 2.x系、2016〜2018年頃の機種はePSA 3.x系、2019年以降の機種はSupportAssist Pre-Boot System Assessmentが搭載されているのが一般的です。BIOSを最新バージョンにアップデートすることで、古い機種でも診断ツールが新しいバージョンに更新される場合があります。

3. 診断ツールの起動手順(F12ブートメニューから)

最も簡単にDell診断ツールを起動する方法は、起動時のブートメニューから選択する方法です。以下の手順で操作してください。

1
パソコンの電源を切るか再起動する

起動中の場合はスタートメニューから「再起動」を選択します。電源が切れている場合は電源ボタンを押します。

2
Dellロゴが表示されたらすぐに F12 キーを連打する

電源を入れた直後から「DELL」のロゴが表示されている間、F12キーを1秒間に2〜3回のペースで連打します。「Preparing one-time boot menu...」というメッセージが表示されたら成功です。

3
ブートメニューから「Diagnostics」を選択する

ブートメニューが表示されたら、キーボードの矢印キーで「Diagnostics」(または「SupportAssist OS Recovery」「ePSA Diagnostics」などの表記)まで移動し、Enterキーを押します。

4
診断ツールが自動的に起動する

選択後、ハードウェアのスキャンが開始されます。「ePSA Pre-Boot System Assessment」または「SupportAssist」の画面が表示されれば正常に起動しています。

⚠️ F12キーを押すタイミングが遅いとWindowsが起動してしまいます。Dellロゴが表示されると同時に押し始め、ブートメニューが表示されるまで繰り返し押し続けてください。タイミングが合わない場合は再起動して再試行します。

4. BIOSセットアップからの起動手順

F12のブートメニューが表示されない場合や、BIOS設定からより詳細な診断オプションを選択したい場合は、BIOSセットアップ画面から診断ツールを起動する方法もあります。

1
電源投入直後に F2 キーを連打してBIOSセットアップに入る

DellロゴのタイミングでF2を連打し、BIOSセットアップ(System Setup)を起動します。

2
左側メニューの「Support」または「Maintenance」を選択する

BIOSのメニュー構成は機種によって異なりますが、「Support」「Maintenance」「Advanced」などのカテゴリ内に診断ツールへのリンクがある場合があります。

3
「Diagnostics」または「Memory Test」などの項目を実行する

BIOSのSupportタブ内に「ePSA Diagnostics」「SupportAssist Pre-Boot System Assessment」などの項目がある機種では、そこから直接起動できます。

5. 診断メニューの概要と操作方法

Dell診断ツールが起動すると、まず自動的にハードウェアの検出・初期化が始まります。完了するとメインメニューが表示され、テストの種類を選択できます。主なメニュー構成は以下のとおりです。

メニュー項目 内容
Quick Test(クイックテスト) 主要なコンポーネントを短時間(5〜15分程度)で検査します。日常的なトラブルチェックに適しています。
Extended Test(拡張テスト) すべてのコンポーネントをより詳細に検査します。時間がかかります(1〜数時間)が、見落としのない詳細な診断が可能です。
Custom Test(カスタムテスト) テストしたいコンポーネントや項目を個別に選択して実行します。特定の部品に絞って診断したい場合に使います。
Symptom Tree(症状ツリー) 症状を選択すると、その症状に関連するテストが自動的に実行されます。特定の症状から原因を絞り込みたい場合に便利です。

操作はキーボードで行います。矢印キーで項目を選択し、Enterキーで決定します。スペースバーでチェックボックスのオン・オフを切り替えます。テスト中はプログレスバーが表示され、進行状況を確認できます。テスト中に問題が発見されると画面にエラーメッセージとコードが表示されます。

💡 はじめてDell診断ツールを使用する場合は「Quick Test」から始めることをおすすめします。多くの一般的なハードウェア障害はクイックテストで検出できます。クイックテストが正常終了した場合でも不審な症状が続く場合は「Extended Test」を実行してください。

6. 各テスト項目の詳細

CPUテスト(Processor)

CPUの基本的な演算能力と内部レジスタ・キャッシュメモリの動作を検証します。CPUに内蔵されたセルフテスト機能(BIST:Built-In Self Test)を活用して演算エラーを検出します。テスト時間は数秒〜1分程度です。CPUテストでエラーが出た場合、CPU自体の故障の可能性がありますが、CPUファンの不具合による過熱が原因のこともあるため、冷却システムのチェックも合わせて行ってください。

メモリテスト(Memory / RAM)

RAMの各セルに対して読み書きテスト、アドレッシングテスト、データパターンテストを実行します。クイックテストでは一部のメモリ領域のみを検査しますが、拡張テストではメモリ全領域を徹底的にチェックします。メモリ容量が大きいほどテスト時間が長くなります(8GBで20〜40分、16GBで40〜60分程度が目安)。メモリエラーが検出されると「Error Code 2000-0123」のような形式でコードが表示されます。

ストレージテスト(Hard Drive / SSD)

HDD/SSDのS.M.A.R.T.(Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology)情報を読み取り、ドライブの健全性を確認するとともに、実際の読み書きテストを実行します。テストには「Short Self Test(短時間テスト)」と「Long Self Test(長時間テスト)」があり、Short Self Testは2〜5分、Long Self Testは30分〜数時間かかります。不良セクターや読み書きエラーが検出された場合は「Error Code 2000-0142」などが表示されます。ストレージエラーはデータ損失に直結する可能性があるため、エラーが出た場合は早急なデータバックアップと交換が必要です。

バッテリーテスト(Battery)- ノートPCのみ

バッテリーの充電容量(設計容量に対する現在の容量の割合)、充放電サイクル数、温度、電圧などを測定します。バッテリーの劣化度合いを数値で確認でき、「バッテリーの健全性」として結果が表示されます。容量が設計値の80%を下回っている場合はバッテリーの交換時期として警告が出ることがあります。

グラフィックテスト(Video / GPU)

内蔵グラフィック(Intel/AMD UMA)または外付けGPUの基本動作と、ビデオメモリ(VRAM)への読み書きテストを実施します。また、LCD(液晶パネル)の各ピクセルの点灯・消灯テストも含まれており、輝点(常時点灯ドット)や暗点(常時消灯ドット)の発見にも役立ちます。

ネットワークテスト(NIC / Wireless)

有線LANアダプター(NIC)と無線LAN(Wi-Fi)アダプターの基本動作を検証します。ただし、このテストは通信接続自体のテストではなく、ハードウェアとして正常に認識されているかどうかの確認が中心です。接続先のルーターや通信品質はテストされません。

その他のテスト

機種によっては光学ドライブ(DVDドライブ等)、SDカードリーダー、USBコントローラー、Thunderboltポート、オーディオなどのテストも利用できます。カスタムテストモードでこれらの項目を個別に選択して実行できます。

7. テスト結果の見方

すべてのテストが終了すると、結果サマリーが表示されます。結果は以下の3種類のいずれかで表示されます。

表示 意味 対処
PASSED(合格) テスト対象のハードウェアに問題は検出されなかった 引き続き様子を見る。症状が続く場合はWindowsやドライバーの問題を調査する
FAILED(不合格) ハードウェアに問題が検出された。エラーコードが表示される エラーコードを記録してDellサポートへ連絡するか、専門業者へ相談する
WARNING(警告) 明確な故障ではないが、注意が必要な状態(バッテリー容量低下など) 近い将来の部品交換を検討する

テスト結果の画面には「Validation Code(検証コード)」または「Error Code(エラーコード)」が表示されます。このコードは英数字の組み合わせで構成されており、テストに失敗したコンポーネントとエラーの種類を識別します。結果のスクリーンショットを撮るか、コードを書き留めておくことをおすすめします。DellサポートサイトのError Code Lookupツールにこのコードを入力することで、エラーの意味と推奨対処法を確認できます。

8. エラーコード(2000番台)の意味と対処

Dell診断ツールのエラーコードは主に「2000-XXXX」の形式(4桁の数字)で表示されます。代表的なエラーコードとその意味は以下のとおりです。

エラーコード 障害部位 主な原因と対処
2000-0111 CPU / プロセッサー CPUの演算テスト失敗。CPU自体の故障または過熱が疑われる。冷却系の点検・専門業者への相談を推奨。
2000-0123 メモリ(RAM) メモリの読み書きエラー。メモリの抜き差し、1枚ずつのテスト、メモリ交換を試みる。
2000-0124 メモリ(RAM) メモリのパリティエラー。メモリの不良またはメモリスロットの故障が疑われる。
2000-0142 HDD / SSD ストレージの自己診断テスト(DST)失敗。不良セクターまたはドライブ自体の物理故障。早急なデータバックアップとドライブ交換を推奨。
2000-0143 HDD / SSD ストレージが未検出または応答なし。接続ケーブルの確認、ドライブの物理的な故障の可能性。
2000-0145 HDD / SSD ストレージのS.M.A.R.T.エラー。ドライブが故障の兆候を示している。速やかなデータバックアップと交換を推奨。
2000-0212 バッテリー バッテリーの充電容量が設計値を大幅に下回っている。バッテリー交換を推奨。
2000-0232 ビデオ / GPU グラフィックのテスト失敗。グラフィックドライバーの問題またはGPU自体の故障。
2000-0333 ネットワーク(有線) LANコントローラーの動作異常。ドライバーの再インストールまたはNICの故障。
2000-0334 ネットワーク(無線) Wi-Fiモジュールの動作異常。ドライバーの再インストールまたは無線LANカードの交換。

上記は代表的なコードであり、実際のエラーコードは機種・BIOSバージョン・診断ツールのバージョンによって異なります。表示されたエラーコードをそのままDellサポートサイト(support.dell.com)の「Error Code Lookup」ページに入力することで、機種固有の詳細な情報を確認できます。

9. テスト実行時の注意事項とよくある質問

テスト中の注意事項

  • テスト中は電源ケーブルを必ず接続しておく(ノートPCではバッテリー切れによるテスト中断を防ぐため)
  • テスト中はキーボードやマウスを操作しない(誤操作でテストが中断する場合がある)
  • 拡張テストは長時間かかるため(機種・構成によって1〜3時間以上)、時間に余裕があるときに実行する
  • ストレージの「Long Self Test(長時間テスト)」はHDDに負荷をかけるため、既にHDDが不安定な場合は短時間テストを先に実行する
  • テスト中に本体が熱くなることがあるため、通気口を塞がないよう設置場所に注意する

よくある質問

Q. テストがPASSEDになったがパソコンの調子が悪い。
A. ePSA/SupportAssistはハードウェアの基本的な動作を検証するツールですが、断続的に発生する不具合や、特定の操作時にのみ現れる問題は検出できない場合があります。また、Windows・ドライバー・ソフトウェアに起因する問題はハードウェアテストでは検出されません。テストがPASSEDでも症状が続く場合はWindowsのシステムチェック(SFCスキャン等)を試みてください。

Q. F12を押してもブートメニューが出ない。
A. BIOS設定でF12ブートメニューが無効化されている可能性があります。F2でBIOSセットアップに入り、「Boot」タブ内の「Boot Sequence」または「F12 Boot Options」設定を「Enabled」に変更してください。また、Fast Bootが有効な場合も無効化すると改善することがあります。

Q. 診断ツールが途中でフリーズした。
A. 特定のハードウェアコンポーネントにアクセスできない場合に診断ツールが固まることがあります。電源ボタン長押しで強制終了後、カスタムテストモードで該当コンポーネントのみをテストから外して再実行するか、BIOSのアップデートを試みてください。

10. 専門業者への依頼が必要なケース

以下のケースでは、診断結果を持参のうえ専門業者への相談をおすすめします。

  • ストレージ関連エラー(2000-0142・0143・0145)が検出された場合(データ損失リスクがある)
  • メモリエラーが検出され、メモリの抜き差し・交換をしても改善しない場合(スロット側の故障)
  • CPUエラーが検出された場合(CPUはんだ付けタイプの機種では個人交換が困難)
  • ビデオ/GPUエラーが検出された場合(特にノートPCの内蔵GPU故障)
  • 診断ツール自体が起動しない、または途中でフリーズする場合
  • 複数のコンポーネントで同時にエラーが発生した場合(マザーボード障害の可能性)

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参照元・参考資料

  1. Dell Inc. "Dell Enhanced Pre-Boot System Assessment (ePSA 2.x, 3.x)". Dell サポート. <https://www.dell.com/support/kbdoc/ja-jp/000125981/>
  2. Dell Inc. "SupportAssist Pre-Boot System Assessment". Dell サポート. <https://www.dell.com/support/kbdoc/ja-jp/000180971/>
  3. Dell Inc. "Dell の診断ユーティリティを使用したハードウェア診断の実行". Dell サポート. <https://www.dell.com/support/kbdoc/ja-jp/000126028/>
  4. Dell Inc. "Dell のエラー コード参照". Dell サポート. <https://www.dell.com/support/kbdoc/ja-jp/000124304/>
  5. Dell Inc. "SupportAssist を使用したメモリのテスト方法". Dell サポート. <https://www.dell.com/support/kbdoc/ja-jp/000178475/>
  6. Dell Inc. "ハード ドライブ診断テスト(DST)について". Dell サポート. <https://www.dell.com/support/kbdoc/ja-jp/000137274/>

最終更新日:2026年6月 執筆:TeraWin パソコン修理スタッフ